八幡・菅野エリア
脚本家/水木洋子邸
市川市八幡5-17-3
日本映画の黄金時代を担った女性脚本家“水木洋子”さんが暮らした家
本八幡の閑静な住宅街を歩いて行くと、ひと際、広い敷地の中に建つ数寄屋風の建物が見えます。そこが「脚本家/水木洋子邸」です。水木洋子さんは、「ひめゆりの塔」、「裸の大将」、「純愛物語」、「竜馬がゆく」など、映画やドラマの名作を手掛けた脚本家。日本映画の黄金時代を担った一人であり、女性脚本家の草分けとしても名高い人物で、1981(昭和56)年には、紫綬褒章を受章しています。
水木洋子さんは、1947(昭和22)年から母・ゑいさんと共に市川市八幡にあるこの家で暮らし、2003年に享年92歳で逝去されました。晩年、体調を崩してからはこの家を離れ、療養生活を送っていたそうですが、その間に、水木さんの意思により自宅や自筆原稿など、一切の財産を市川市に寄贈する手続きが行なわれました。寄贈された資料は、「市川市文学ミュージアム」にて紹介しています。また、「水木洋子邸」では、水木さんの暮らしぶりを伝える生活資料を公開しています。
1947年に愛知県から移り住んだ当初は、隣家の2階で暮らしていたのだとか。後に、ここにあった借家を買い取り、増改築を重ねたそうです。約249坪という広大な敷地に建つ、約31坪の建物(面積は登記簿上につき、現存のものとは異なる)は、随所に大工の職人技が垣間見え見応えがあります。
現在、公開しているのは、玄関・和室・広縁・次の間・書斎・庭です。
「水木洋子邸」の公開日は、毎月第2・4土曜日とこれに続く日曜日(1、2、12月は変更する場合がある)の10時から16時。詳細はホームページで確認してください。
「次の間」に展示されている図録などの資料は、「水木洋子邸」の受付カウンターで購入できます。見本を見たい場合は、スタッフにお声がけを。
- 玄関には水木洋子さんの顔写真や、“水木邸の花と樹と実りマップ”が展示されている。
- 数寄屋風のしつらえの「玄関」の一部。
- 廊下側から(左)と広縁側から撮影した「和室」。
- 飾り棚や珍しい電蓄、琴や三味線などが並ぶ。
- 広い庭に面した10畳ほどの開放的な空間の「広縁」。来客用に大きなテーブルとソファがある。屋根の垂木を兼ねた竿縁天井や飾り棚など、数寄屋風の造りは1959年ごろに増築されたもの。
- 「次の間」に続く「廊下」。
- 「次の間」。水木さんが生活していた頃は和室だった。箪笥の上には、帽子が収められた箱がいくつも並ぶ。ショーケースに展示された図録などは、受付カウンターで購入できる。
- 「次の間」の奥にある「書斎」へと続く3段ほどの階段。
- 最後に増築された「書斎」。入り口から庭側を撮影した写真(左)と庭側から撮影した写真(右)。
- 書棚もベッドも造りつけ。仕事場にベッドを配した造りは、仕事への気迫が感じられる。
- 内土間のついた8畳中央の掘り炬燵から、手入れの行き届いた美しい庭が眺められる。内土間には、当時珍しかったと思われる“家庭用エアロバイク”が。水木さんは愛犬家としても有名で、庭には犬小屋も残されている。
- 庭から見た「水木洋子邸」全景。
- 庭には、季節の花の他、柿やみかん、洋梨など実のなる樹木も多く植えられている。
「脚本家/水木洋子邸」へのアクセスは、京成線京成八幡駅・都営新宿線本八幡駅から徒歩約10分。JR総武線本八幡駅北口から徒歩約15分です。
【DATA】
脚本家/水木洋子邸
- 住所:市川市八幡5-17-3
- 電話番号:047-320-3334(市川市文学ミュージアム/市川市 文化国際部 文化施設課)
- 時間:毎月第2・4土曜日とこれに続く日曜日(1、2、12月は変更する場合がある。※詳細はホームページを参照)
- 料金:無料
- 駐車場:なし
- 時間:10:00~16:00
- 休み:公開日以外
- ホームページ:https://www.city.ichikawa.lg.jp/cul01/mizukitei.html