ゆずりば いちかわ

学生服・学用品に特化したリユース事業

東京メトロ東西線行徳駅から徒歩約3分、南根公園のすぐ近くにあるのが「ゆずりば いちかわ」です。経営するのは石垣瑠美さん。2人の男の子を育てながら仕事をするワーキングマザー。育児と仕事をするなかで、いろいろな方との出会いがあり、日に日に“地域に密着した事業”が必要だという思いが強くなり、会社を立ち上げることを決意。2018年11月21日に同店をオープンしました。

着目したのが“学校指定の制服や学用品のリユース”。大切な思い出の詰まった学用品を、次に必要とする人へ販売する事業。子どもが成長して着られなくなった、あるいは、卒業を迎え不要になってしまったなど、まだ十分使える状態にもかかわらず、そのまま処分されてしまう学用品は意外と多く、しかも、制服や体操着などの学用品は購入すると高額になります。“お下がり”をシステム化することで家計への負担が大きい学用品を無駄の少ない形にしたのが「ゆずりば いちかわ」。取り扱うのは市川市内にある幼稚園・保育園・小学校・中学校・高校です。

ママ友から学生服を譲り受けようとしても、性別やサイズが合わなければ実現できず、また、卒業から年数が経ってしまうと譲り先がなく困ってしまうという声を耳にすることも多かったこともあり会社を始めたきっかけに。「ゆずりば いちかわ」は、そんな子育て世代の救世主になっているに違いありません。

不要になった学用品を売りたいという場合、方法は2つあるそうです。ひとつは行徳の「ゆずりば いちかわ」へ持参する。もうひとつは、電話かホームページで予約して家まで出張買取を依頼する。但し、未成年者からの買取は不可。また、お客様に安心・納得して商品を売っていただくために、商品の状態を4つのランクに分類して算出し査定しているそうです（詳細はホームページを参照）。

さらに買取の場合、クリーニングは不要。名前の刺繍や、記入があってもそのまま売ることができるという良心的なシステムを実施しています。売る前にクリーニング代がかかってしまうと、売ってもプラスになるかわからないので、これはとても嬉しいシステムですよね。

「必要な人にただで譲りたい」という場合は、【学生服・学用品提携ステーション】という「ゆずりば いちかわ」と提携しているショップに持参することも可能です。提携ステーションは、妙典・本八幡・市川などにある雑貨店や鍼灸院など全11店舗。受付はお店の営業時間内です。店舗についてはホームページでチェックを。

そして、買取をした商品はお店に並べる前に必ず、刺繍は外す、ほつれがあった場合は直す、毛玉は取るなどきちんとメンテナンスを行っているそうです。このとき、メンテナンス作業を行うのが、子どもがまだ小さいため外で働くことはできないけれど、内職ならできるという地域の方。「ゆずりば いちかわ」は、地域の雇用も生み出し、今後もこの取り組みを広げていくことを目指しているそうです。

ママ目線で作られた　あると便利な商品も販売！

「学用品を探しに来たけれど、今日は合う商品がなかった」というお客様のために販売しているのが、布製のバッグやマスクなど、ママ目線で作られたハンドメイド商品。あると便利だったり、繰り返し長く使えたりするものがたくさん！　子ども用の商品だけでなく、金属アレルギーの人でもおしゃれが楽しめるネックレスや羽のように軽いピアスなど、作家さんが作った大人向けのこだわり商品もあるので、お店に立ち寄る楽しみがあります。

お客様は子育て真っ只中のママやパパたちばかりなので、本当に知りたい情報をキャッチできます。例えば「行徳周辺の中学校は、制服の下に体操服を着るのがマスト。だから、制服は少し大きめのサイズが必要」etc。。。

「ゆずりば いちかわ」は、入学前ではなかなか知ることができない情報や地域の情報交換ができる貴重なコミュニティの場にもなっています。

「店名の『ゆずりば』は、“譲り場”と“ゆずり葉(親子草)”を合わせたものです」と石垣さん。お店の壁には、商品をバトンタッチした方からのメッセージが書かれた葉の形のカードがありました。これには、木から枝が伸びてゆずり葉が部屋いっぱいに広がるようにという願いが込められているそうです。「ゆずりば いちかわ」は、地域に根付き譲る人と受け取る人の気持ちをもつなぐ、素敵なお店でした。