八幡・菅野エリア

白幡天神社

市川市菅野1-15-2

  • 玉垣の奥にある鳥居。

    玉垣の奥にある鳥居。

美しく整備された境内 歴史を感じる菅野の氏神様

市川菅野の最も地形の高いところに氏神様として静かに鎮座するのが「白幡天神社」。御祭神は、武内宿禰(たけのうちのすくね)と菅原道真公。1180年に、源頼朝が安房国(あわのくに)に旗揚げしたのち、市川・萱野の高台で白旗をあげた事から白幡宮と名付けられたと伝えられています。

1584年に、本殿を再建した記録が残っているので、創建はそれ以前となります。また創建当時は 「白幡神社」と呼ばれていたそうです。その後、創建時からの御祭神であった武内宿禰に加え、1871年に菅原道真を合祀してからは、白幡天神社と呼ばれています。

約2000坪ある境内には緑の木々が生い茂り、梅、桜、椿、ツツジ、ユリ、萩、彼岸花、サザンカといった花が季節を彩ります。また、白幡天神社公園が隣接しています。

当神社で保存されている柴田是真による「画連句額」は、2006年に千葉県指定文化財として指定されています。市川市のホームページによると、柴田是真(1807~1891)は、幕末から明治中期にかけて活躍した日本画家。(中略) 白幡天神社にある連句額の絵は、幅約57.5cm、長さ198.5㎝という大きなケヤキの一枚板に、胡粉(ごふん、白色の顔料)彩色で梅の木と、竹竿の先に桶を付けたつるべを、板の上部へ大きく横長に描いたものです。黒ずんだ板から浮き上がるような絵は、写実的でのびのびとしています。絵の下には連句が墨書きされ、末尾に「明治十有三年三月」とあるところから、是真74歳の作であることが分かります。なお、木地に着色の絵を描いた是真の作品で、現存するものはわずか5枚。白幡天神社の額はそのうちの貴重な1枚であると記載されています。

拝殿にかかる扁額は、”勝海舟”の書によるもの。

2010年、境内に永井荷風と幸田露伴の文学碑が建立されました。また、2018年には京都でつくられた神輿が完成。今年(2019年)の10月の例大祭で初めて担がれるそうです。

  • 当神社の御祭神・御由緒・御神徳などが書かれた案内版。

    当神社の御祭神・御由緒・御神徳などが書かれた案内版。
  • 境内に植えられた二分咲きの白梅。

    境内に植えられた二分咲きの白梅。
  • 白梅の隣には紅色の梅も咲き始めていた。

    白梅の隣には紅色の梅も咲き始めていた。
  • 「神門」。源氏の旗印が白旗であり、「白幡」となったと伝えられている。

    「神門」。源氏の旗印が白旗であり、「白幡」となったと伝えられている。
  • 石灯籠の苔が歴史の長さを物語っている。

    石灯籠の苔が歴史の長さを物語っている。
  • 1835(天保6)年に奉納された狛犬。口を開いている“阿形”の獅子。

    1835(天保6)年に奉納された狛犬。口を開いている“阿形”の獅子。
  • 口を閉じている“吽形”の獅子。どちらも獅子山のような台座の上に置かれている。

    口を閉じている“吽形”の獅子。どちらも獅子山のような台座の上に置かれている。
  • かつての御神木。樹齢300年といわれその高さ25mの黒松の巨木だったと伝えられている。

    かつての御神木。樹齢300年といわれその高さ25mの黒松の巨木だったと伝えられている。
  • 願い事が書かれた絵馬がたくさん!

    願い事が書かれた絵馬がたくさん!
  • 拝殿の右手には鳥居の奥に“寄せ宮”形式で5つ神社が祀られている。
中央が「古峰神社」。左手は「白山妙理大権現」と「稲荷神社の小祠」。
右手は「小御嶽石尊大権現」と「浅間宮」の碑。

    拝殿の右手には鳥居の奥に“寄せ宮”形式で5つ神社が祀られている。 中央が「古峰神社」。左手は「白山妙理大権現」と「稲荷神社の小祠」。 右手は「小御嶽石尊大権現」と「浅間宮」の碑。
  • 永井荷風文学碑。

    永井荷風文学碑。
  • 幸田露伴の文学碑。永井、幸田とも晩年に白幡天神社近くに移り住み、
作品の中でも白幡天神社の様子を書いている。

    幸田露伴の文学碑。永井、幸田とも晩年に白幡天神社近くに移り住み、 作品の中でも白幡天神社の様子を書いている。
  • 神輿庫。

    神輿庫。
  • 大人神輿。

    大人神輿。
  • 子供神輿。

    子供神輿。

無病息災を祈る神事“湯の花祭り”

白幡天神社では、毎年2月20日に“春を呼ぶ祭り”と呼ばれる「湯の花祭り」が、境内で執り行われます。この日に取材に伺いました。

このお祭りは創建時より伝わったとされるもので、白幡天神社の御祭神のひとかたである武内宿禰に由来するものだそうです。

古代、神に誓った後に熱湯の中に手を入れて火傷をした者に罪があるとする“探湯(クチガタ)”という裁判形式があり、『日本書紀』応神天皇紀に武内宿禰と、その弟、甘美内宿禰(うましうちのすくね)との正否を決める裁判にこれを行い、武内宿禰が勝ったという故事から、当神社で永く伝承されているお祭りなのだとか。

今日では、大釜にグラグラと沸かした湯を、宮司が束ねた熊笹でかき回し、そのしずくを参詣者が浴びることによって1年の無病息災を祈るという神事に変わりましたが、大変珍しい“奇祭”とされています。

使われた熊笹は神事が終わると参詣者に分けられ、お守りとして1年間自宅でお祀りし、翌年のお祭りの際、大釜を沸かす火にくべられることで伝統神事となっています。

祭りの後には、地元のご婦人たちが昔ながらの味付けで作った里芋とコンニャクの田楽と甘酒が参拝者に振舞われました。

四季折々の木花が美しい、大変手入れが行き届いた白幡天神社は、またぜひ来訪したい神社です。

アクセスは、京成電鉄菅野駅から徒歩5分、京成八幡駅から徒歩7分、JR本八幡駅から徒歩10分。

  • 昨年の神事で使われた熊笹で大釜の湯を沸かす。

    昨年の神事で使われた熊笹で大釜の湯を沸かす。
  • 今年の神事で使う熊笹の束。

    今年の神事で使う熊笹の束。
  • 「湯の花祭り」が始まる前にまず参拝。

    「湯の花祭り」が始まる前にまず参拝。
  • 湯がグラグラと沸騰するまで熊笹をくべて湯を沸かす。

    湯がグラグラと沸騰するまで熊笹をくべて湯を沸かす。
  • 大釜の周りに集まる奇祭に参加する大勢の人たち。

    大釜の周りに集まる奇祭に参加する大勢の人たち。
  • 神事の前に紅白の梅を愛でる参拝者。

    神事の前に紅白の梅を愛でる参拝者。
  • お祭りが始まる前に神前に酒・果物・野菜などがお供えされる。

    お祭りが始まる前に神前に酒・果物・野菜などがお供えされる。
  • 宮司が祝詞をあげ神事が始まる。

    宮司が祝詞をあげ神事が始まる。
  • 宮司が束ねた熊笹で熱湯を掻き回し、しずくを参拝者に浴びせる。

    宮司が束ねた熊笹で熱湯を掻き回し、しずくを参拝者に浴びせる。
  • 参拝者による玉串拝礼。自らの気持ちをこめて供え、お参りをする。

    参拝者による玉串拝礼。自らの気持ちをこめて供え、お参りをする。
  • 二分咲きの梅を愛でなが4ら田楽や甘酒をいただく参拝者。

    二分咲きの梅を愛でなが4ら田楽や甘酒をいただく参拝者。
  • 参拝者に振舞われる田楽と甘酒。

    参拝者に振舞われる田楽と甘酒。

【DATA】

白幡天神社

  • 住所:市川市菅野1-15-2
  • 電話番号:047-322-1798
  • 時間:常時開放
  • 駐車場:5台(無料)※参拝者に限る
  • ホームページ:https://www.shirahatatenjinsya.com/
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