国府台・国分エリア
市立市川考古博物館
市川市堀之内2-26-1
知っているようで知らない市川の地形・歴史・文化を学ぶ
市立市川考古博物館の開館は、1972年(昭和47年)。市川の原始、古代の文化財を保護し、市内の遺跡から出土した考古資料などを収集、数多く展示しています。ホールに入り、まず驚くのが迫力ある「コククジラ」の骨格展示。茶色くなっている部分が本物で、実物を交えてつくられています。
ホールにある自然環境の変化を紹介したパネルでは、時代を追うごとに市川周辺の地形がどのように変わっていったのかを知ることができます。
時代ごとに「第1室 最初の住民:先土器時代」、「第2室 貝塚の形成:縄文時代」、「第3室 農耕の開始:弥生時代」、「第4室 古墳の出現:古墳時代」、「第5室 律令の時代:奈良・平安時代」の5つの部屋に分けて、古人類の胸像、貝塚からでた縄文土器や石器、下総国府跡・国分寺跡で発見された瓦や墨書土器などを展示しています。
土器は“堀之内式”と名付けられて、土器編年のうえで縄文時代後期前半の標式土器になっているそうです。また、貝層の下からは縄文時代後期初めの住居跡が発見されました。そのほかに埋葬人骨も検出され、実物が展示されています。横たわった状態で発掘されたものは国内でも大変に貴重とのこと! 実物は直接、博物館で確認を。
- 2階へと続く階段の壁には類人の進化の過程がわかる絵が描かれている。
- 2階第1室「最初の住民:先土器時代」の入り口。
- 約2万年前の先土器(旧石器)時代の石器の展示。
- 2階第2室「貝塚の形成:縄文時代」の入り口のパネル。
- けものの骨などの展示。縄文時代は植物食と狩猟により、 イノシシやニホンジカを中心としたけものを主食としていたことがわかる。
- 市川市奉免町の安楽寺貝塚の貝層の一部。
- 縄文時代の「海の砂」や縄文時代の人々が ハマグリを干して珍味な保存食として食べていたことを検証して 1998年に作った「干貝」の展示。
- ハマグリをはじめ、サルホウガイやバカガイなど大きなものもある。
- 1926年(大正15)に行われた姥山貝塚で、 約4500年前の住居後とその床面に横たわっていた人骨を 当時そのままに1/10に想定復元したもの。
- 縄文人が石や骨などを使い獲物をとるなどの目的でつくった生活技術を展示。
- 約3700年前の堀之内貝塚での生活の一コマを、 人類学者監修のもとに再現したもの。想定では季節は夏。 骨格が分かりやすいように上半身は服を脱いだ状態にしているため、 実際については定かではない。
- 権現原貝塚から出土された線刻画のある土器。
- 「首飾り」縄文人はオシャレだった!? これは単なる飾りではなく、悪霊の進入を防ぐなど呪術的なものだったそう。
- 首や胸などの装身具の一部。
- いろいろな表情の土偶。
- 生活に使用していた器や水甕など。
- 2階第3室「農耕の開拓:弥生時代」の全景
- 青銅器の展示。
- 男女がそれぞれわかれて仕事を分担するようになった。
- 日本独自の巴形の銅器。
- 家族ごとに埋葬が行われたことがわかる「方形周溝墓」。
- 堀之内貝塚で発見された「深鉢型土器」(レプリカ)。
- 福岡県で偶然発見された 「漢委奴国王(かんのなのわのこくおう)」印(レプリカ)。
- 国府台の古墳群を表したパネルなど。
- 武器と武具などが展示されたショーケース。
- 土器文様の移り変わりが一目でわかる年表。
- 2階第4室「古墳の出現:古墳時代」の全景。
- 下総国分寺の瓦。
- 2階第5室「律令の時代:平安時代」の全景。
- 下級役人の服装。
- 贅沢な国司の食卓メニューの一例。
- 国司と比べ簡素な庶民の食卓メニューの一例。
- 国分寺の建立について書かれたパネル。
- さまざまな大きさや模様の「瓦」が出土されている。
- 出土された物と年代がわかる年表。
- コククジラの標本は2階の渡り廊下から眺めると、 細部まで観察することができる。
観て触れることができる「歴史の小箱」
1階の学習室には、閲覧できる図書の他に「観る・触れる 歴史の小箱」があります。12の箱の中には、祖先が残した貝殻や瓦など多数。実際、見て触れて、考古学者気分が味わえるかも!? 来館の際は是非、立ち寄ってみては?
日本の考古学上でも貝塚文化の消長を伺い知ることができる重要な品が数多く展示された「市川市立考古博物館」。観賞・観察すべきものがたくさんあります。古代ロマンを感じに足を運んでみてはいかがでしょう。
アクセスは電車の場合、北総鉄道北国分駅より徒歩約10分。市川駅・国府台駅より京成バスで北国分駅行き(市81系統)で「堀の内3丁目」下車、徒歩約5分。または、市川真間駅より京成バスで北国分駅行き(市43系統)で「堀の内3丁目」下車、徒歩約5分など。
【DATA】
市立市川考古博物館
- 住所:市川市堀之内2-26-1
- 電話番号:047-373-2202
- 時間:9:00~16:30
- 料金:無料
- 駐車場:30台 ※中・大型バスは不可
- 休館日:毎週月曜日(祝日と重なった場合は翌日)・年末年始
- ホームページ:http://www.city.ichikawa.lg.jp/edu14/1111000001.html