市川・真間エリア
日蓮宗本山 真間山 弘法寺
市川市真間4-9-1
- 「仁王門」。真間山弘法寺が明治の大火の際、被害に遭わなかったのが、 この仁王門と「鐘楼堂」と伝えられている。
- 真間山正面の全63段の下から27段目左にある石。 江戸時代、作事奉行の鈴木修理長頼が 日光東照宮の造営のために使う石材を伊豆から船で運ぶ途中、 市川の根本付近にさしかかった時、どうしたことか船が動かなくなってしまい、 そのとき長頼は「近くの弘法寺に仏縁あり」と思い、 積んでいた石を勝手に近くの弘法寺の石段に使用してしまった。 その後、長頼は幕府から責任を追求され石段で切腹。 多くの石がある中、この石だけが涙を流しているように濡れ続けているため、 長頼の無念の血と涙が染み込んでいるという伝承がある。
- 仁王門前からの階下の眺め。弘法寺が高台にあることが分かる。
- 小林一茶の句碑「真間寺で 斬う拾いしよ 散紅葉」。
- 祖師堂側から眺めた「仁王門」。
真間の手児奈の霊を供養するため創建された寺院
弘法寺の縁起は、以下の通りです。
ここ真間山、弘法寺(ぐほうじ)は奈良時代、天平九年(737)、行基菩薩がこの地にお立ち寄りになられた折、里の娘、手児奈の哀話をお聞きになり、いたくその心情を哀れに思われ、一宇(いちう)を建てて「求法寺(ぐほうじ)」と名づけ、手厚くその霊を弔われた。
それからおよそ百年ほど経た平安時代、弘仁十三年(822)に弘法大師(空海)が教えを弘められるためにおいでになられた時、求法寺を七堂伽藍に再建され、寺運を一新して、「求法寺」を「弘法寺」と改称された。
その後、鎌倉時代に入り、建治元年(1275)に、時の住持、了性法印尊信(りょうしょうほういんそんしん)と、中山法華経寺、富木常忍公(ときじょうにんこう)との間に問答があり、日蓮聖人は六老僧の伊予房日頂上人(いよぼうにっちょうしょうにん)を対決させられた。
その結果、日頂上人が法論に勝たれたため、爾来、弘法寺は法華経の道場となり、日頂上人をしてご開山とすることとなった。
当山は元亨三年(1323)に千葉胤貞公(ちばたねさだこう)より寺領の寄進を受け、天正十九年(1591)に徳川家康公より御朱印状を賜り、元禄八年(1695)には水戸黄門公が来詣された折、茶室を賞(め)でて「遍覧亭(へんらんてい)」と称された。
明治二十一年(1888)火災のため、全山、悉く灰燼(かいじん)に帰し、現在の諸堂は明治二十三年(1890)に再建されたものである。(弘法寺ホームページより)
静かな境内には鹿威しの音が心地よく響いていました。
弘法寺の守護神は、「手児奈霊神」です。手児奈の哀話とは、
その昔、この真間の里に手児奈という、それは美しい娘がいました。その美貌なるが故に手児奈をめとりたいと男たちは争ったといいます。心優しい手児奈は男たちが互いに争い傷つくのを厭って、ついに真間の入江に身を投げてしまいました。
その手児奈の心情を里人があわれみ、祠をつくって手厚く葬り、この手児奈の話を語り継ぎました。万葉歌人、山部赤人がこの地をたずね、「われも見つ人にも告げむ葛飾の、真間の手児奈が奥津城処」と歌ったことから手児奈の物語は広く人の知るところとなりました。
この薄命の手児奈を『良縁成就』『孝子受胎』『無事安産』『健児育成』の女神として祀ったのは、当山第7世日与上人で、文亀元年(1501)9月9日、上人の夢枕に霊神からお告げがあり、感受されたことから、爾来、産み、育て、生きる素晴らしさを守護する女神として多くの信仰を集めています。(弘法寺ホームページより)
- 平成22年に宗祖日蓮大聖人御報恩 ・開基日頂聖人第七百遠忌記念事業として建設された「新祖師堂」。 総ヒノキによる、前部は方形造り・後部は入母屋造り、 堂内は約80坪の正面5間、側面9間の広さを誇る。
- 南天の実が紅くなり冬を告げている。 南天は、音が「難を転ずる」に通ずることから、昔から縁起の良い木とされている。 鬼門または裏鬼門に植えると良いという言い伝えもあるとか。南天の横には鹿威しが……。
- 鹿威しの向かいにあるのが「濃縁観世音菩薩」。
- 「鐘楼堂」。真間山では、朝6時と夕方6時による「打鐘」が行われる。
- 市川市街が一望できる「月見の広場」。 遠方には、市川市のランドマークタワー「I-linkタウンいちかわ」が見える。
- 平成9年末に完成した「客殿」。 正面の中庭に立派なケヤキがあり、左手に事務所、21畳の客間4部屋がある。 お守りやお札はここで購入を。
- 福島県三春町に咲く「瀧桜」を描いた、遠山悦子氏寄贈の絵画。 境内の桜を眺められない季節には、客殿にある絵画の「瀧桜」を愛でることができる。
- 日蓮宗最古の木像・一尊四士霊像をお祀りしている「本殿」。 “真間の釈迦仏”として名高い、珍しい説法印(教えを説いている印)を結ぶお釈迦さまの座像。
春には枝垂れ桜・秋は紅葉が美しい境内
高台にある弘法寺の境内には、毎年、春になると樹齢500年と伝えられる枝垂れ桜の「伏姫桜」が咲き誇る。また、秋には銀杏などの木が色とりどりに色づきます。
除夜の鐘は1月1日午前0時から先着108人で実施(整理券は12月31日22時30分から配布)。
新年初祈祷は元旦の午前0時から3時までと、9時から16時まで。2日と3日は9時から16時まで。
正月の初詣には例年1万人前後の人が参拝に訪れるそうです。
- 真間道場の正面に位置する通称「赤門」、正式には「朱雀門(すざくもん)」と呼ばれる。 現在残る弘法寺の建物の中で、最も古く推定500年位のものと伝えられている。
- 福再来(ふくさらい)の太刀大黒尊天像を安置した「大黒堂」。 日蓮大聖人が比叡山で修行を始めた建長元年(1248)から建治二年(1276)の 55歳まで片時も離さず肌身につけて奉持されたと伝えられている。
- 大黒堂の右手には見事な銀杏が。青空とのコントラストが美しい。
- 旧弘法寺寺務所。 寺務所が弘法寺客殿・本殿に移動してからは、「真間道場」として利用されていた。
- 樹齢400年以上といわれる「伏姫桜」。 様々な諸説のある枝垂れ桜で、 いつ誰がつけたのか「伏姫桜(ふせひめざくら)」と呼ばれている。
- 境内で優しい微笑みを浮かべ合掌されている観音様「寂光土観音」。
【DATA】
日蓮宗本山 真間山 弘法寺
- 住所:市川市真間4-9-1
- 電話番号:047-371-2242
- 時間:常時開放 社務所は8:00~16:00
- 駐車場:30台(参拝者に限る)
- ホームページ:http://mamasan.or.jp