曽谷・宮久保エリア
ひとぱん工房
市川市曽谷3-42-15
土日限定の人気のこだわりパンとカフェの店
市川市曽谷にある知る人ぞ知る人気のパン屋さんが「ひとぱん工房」。
オーナーは、四ツ谷ひとみさん。店名にインパクトがありますが、由来は、「人との出逢いで生まれ、人の体に優しく、ひとつひとつ丁寧に作り、その作り手の名前が“ひとみ”であることから、“ひとぱん”と名付けました」と、ひとみさん。
そして、いざ店舗を出す時に、改めて他にもっといい店名はないか考えましたが、パン屋さんというとよく、ブランジュリー〇〇や〇〇ベーカリーという名前を耳にしますが、やはり「“ひとぱん”という、こんなに覚えやすくて言いやすい店名はない」と思い決定したそうです。確かに響きもよくて小さなお子さんにも覚えてもらえそうですね。
ひとみさんは、高校を卒業してすぐ、神戸・芦屋にあるフランス料理店に就職。
このとき、メインディッシュなどのポジションにつく前に、テーブルロール(フランス料理で出されるパン)をこねる仕事を担当することになったそうです。
そこで、パンの魅力の方に強く惹かれ、1年を過ぎた頃パン屋へ転職することに。出身が大阪だったこともあり、大阪で2店舗のパン屋さんを経験。2軒目のお店は関西エリアの繁盛店で、ここ以上に美味しいパンはないと思って修行に励んでいたそうです。
しかし、オーナーの意向で縮小移転することになり、まだまだ生地すら仕込むことができなかったひとみさんは上京を決意。
その後、東京で2店のパン屋で経験を経て、店舗開業への資金を貯める中、錦糸町の喫茶店への卸業の依頼を受けて、工房を借りながらオリジナルのパンを確立させていったそうです。
並行に目黒で飲酒店の委託経営を請け負い経営のいろはを学びながら、いろいろな方にパンを食べていただく中で、お褒めの言葉や、ひとみさんが作るパンでなければダメという依存者(笑)も現れ、自分の作るパンに自信が持てるようになっていったのだとか。
そして、2017年に卸業に集中すべく千葉に引っ越し、2年間卸業に徹した後、3年目の2019年5月に現在の店舗に工房を構え、昨年の12月14日に「ひとぱん工房」をオープンしたそうです。
当初、工房を借りていたひとみさんが、自分の工房を持つきっかけとなったのが「オーブン」。
小規模で卸業をしていたときは、家庭用電気オーブンを2台使用していましたが、次第にそれでは満足できなくなり、衝動買いの勢いもあり、なんと800㎏もある業務用オーブンをいきなり購入! そこからは、オーブンが入る物件を必死に探すことになったのだとか。。。
奇跡的に発見した今の店舗が決まってからは、怒涛の工房工事が始まることに。。。
大きなオーブンになると、パンのクオリティが上がる反面、焼くモノが少ないと宝の持ち腐れになる。店舗開業は見据えていたものの、まずは卸業をもう少し拡大しながらと考えていた最中、パンが焼けるいい香りが周囲に漏れていたのでしょう、通りすがる方から「パン屋はまだオープンしないのですか?」という質問をいただくことが多くなり。。。何も告知もしてない、看板も出していないのに噂が一人歩きして幾度となく「みんな待ってるのよ」と言われたことが決め手に。
小さい規模でもいいから店舗で販売しようと決意。約2ヶ月かけてオープンに至ったそうです。
「オープン初日から行列ができて、前日の20時から徹夜で仕込んだ大量のパンが2時間で完売したときは、こみ上げるものがありました」と、ひとみさん。
「ひとぱん工房」は、近所にお住まいの方に切望されて開店したお店。オープンまでのストーリーを伺い感慨深いものがありました。
メインはパンの卸業なので、「ぴとぱん工房」の営業は土日限定。パンが店頭に並ぶとすぐに行列ができて、次々とパンがなくなっていきます。それだけ、お客様はオープン日を楽しみにしているのですね。
パンが売り切れた場合は、カフェ営業のみになります。カフェメニューは、「トーストセット」(500円/トースト食パン(バターのせ)、ジャム、好きなドリンク1杯のセット)や「ケーキセット」(650円/月替り焼き菓子、お好きなドリンク1杯)など。ドリンクのテイクアウトもできます。
食材にこだわった体にやさしいパンが勢ぞろい
ひとみさんに、パンを作るうえで、こだわっている部分や大切にしていることを伺うと。。。パン屋さんを4店舗修行したからこそ気付けたことがあるそうです。
それは、「あくまでも個人的な見解であり、最低限のベーシックな製造技術がある上でいえることですが、パンの美味しさの条件は“粉”にあるということです」。
実はひとみさん、料理店で修行していたときは、パンがそんなに好きではなかったのだとか。
1店目の店舗ではまかないにパンがあったそうなのですが、無料でも食べたくないと思うくらい、パンは食べなかったそうです。そんなある日、パン屋巡りをするきっかけがあり、他店のパンの味の違いにとても驚いたそうです。その違いとは、“美味しいか美味しくないかではなく、飽きるか飽きないか”で、その違いこそが“粉”であることに、4店のパン屋さんの製造に携わったからこそ知ることができたのだとか。
「来店のきっかけが“あのパン屋に行こう”ではなく“あのパン屋のあのパンがまた食べたいから行こう”となるようなパン屋にしたいと思い、ひとつひとつ作っています。
おかげさまで、パンたちには、それぞれ少しずつ熱烈なファンができ始めていて、本当にありがたい気持ちでいっぱいです」と、ひとみさん。
そして、粉にこだわりだすと、その他の原材料もこだわるようになり、砂糖はミネラルや栄養が豊富な鹿児島県産の粗糖、塩は沖縄県産のシママース、油はトランス脂肪酸不使用のパーム油、水は鉱物から抽出したミネラ分が多い美味しい水を使用。
それぞれの素材の味を活かしながら、体に優しいパン作りを心がけ、ひとつひとつ心を込めて作る。それが現在の「ひとぱん工房」になっているそうです。
特に人気のパンとその特徴を教えていただきました。
「南のめぐみ食パン」:小麦の味を一番感じやすい商品が食パン。いろいろな粉を使ってみましたが、熊本産の「南のめぐみ」という粉が一番好きで使用しています。
卵、乳製品も入っていないので、アレルギーの方でも大丈夫です。素朴で、 シンプルがゆえに日持ちがしません。パンは普通すぐカビるので、それが普通であり私の思う安心です。“どうかカビがはえる前に食べられてね~”と、パンに念じています(笑)。
「さつまいもと黒蜜フランス」:フランスパンは、外の皮の香ばしさが特徴ですが、それにさつまいもの甘さとしっとり感が合うと思い作りました。黒ごまと黒蜜で、和テイストなパンです。
「クリームパン」:ブリオッシュ生地で口溶けがいいのが特徴です。カスタードも、 とろっとした状態で仕上げているので、 成形がちょっと難しいのですが、クリームも生地も口溶けがいい、ケーキみたいなクリームパンをイメージして作っています。
「オリーブのパン」:オリーブのピクルスがゴロリと入ったパン。生地量が少ないので、とってもジューシーでオリーブ好きにはたまらないかと思います。お酒のあてになるパンです。
「ミルキーバター」:ミルク100%で仕込んだ生地に、自家製練乳クリームを絞り込んで。バター100%のクリームなので 口に入れた瞬間にスッと溶けます。お菓子のバタークリームのような口溶けが楽しめると思います。
季節や材料の関係で日によって作っていないパンもあるそうです。どのパンも飽きることがなく美味しい。因みに私はひと口食べたときから、「オリーブパン」の大ファンになりました!
「たまごシフォンケーキ」(100円)も人気で、売り切れた後も「シフォンケーキはまだありますか?」という問い合わせが、何人ものお客様からありました。来訪したときには是非、getしたい商品のひとつです。
アクセスは、JR総武線市川駅北口から市川学園行きバスに乗車し「日出学園」で下車、徒歩約5分。
【DATA】
ひとぱん工房
- 住所:市川市曽谷3-42-15
- 電話番号:047-382-5339
- 時間:8:00~18:00
- 料金:すべて税込価格
- 駐車場:あり(1台)
- 休み:月・火・水・木・金、祝日
- ホームページ:https://hitopan.shop/