八幡・菅野エリア
佐賀料理 むつごろう
市川市南八幡4-14-13
本八幡から佐賀の魅力を発信! 佐賀のアンテナショップ的な居酒屋
都営新宿線本八幡駅A2出口より徒歩約4分、JR総武線本八幡駅南口より徒歩約5分の場所にあるのが、「佐賀料理 むつごろう」。知る人ぞ知る穴場の居酒屋さんです。
女将は中島かおりさん。もともと、かおりさんのご主人が佐賀県鹿島市の出身であったことから、佐賀料理やお酒に精通していて佐賀の郷土料理をメインに提供するお店に。そして、女性一人でも気軽に立ち寄れる居酒屋にしたいとの思いでできたのが今のお店なのだとか。店の奥にはカウンター席があるので、女性一人で来店しても、店内にある文庫本を読みながらお酒を飲んだり、かおりさんと会話を楽しんだり。そして、いつの間にかお隣のお客さんとも、昔からの飲み友達のように過ごしていた……というアットホームな雰囲気で居心地が抜群です。
店内の一角は物販コーナーで佐賀の特産品が並んでいます。有明海といえば海苔が有名。有明海はミネラル豊富な塩が流れ込む漁場。佐賀県産の海苔は艶があり黒紫色をしていて火で炙ると緑色に変わります。香ばしく甘みがあり、口に入れるととろけるのが特徴です。海苔の他にも佐賀県の酒蔵から貴重な日本酒を仕入れ販売も行っています。
そして、お店の看板にもなっている、ムツゴロウのイラスト“むっちゃん”の絵本やタオルなども販売しています。実はこの“むっちゃん”の生みの親が、かおりさん。「有明海のシンボル的な存在のムツゴロウのことをもっと多くの人に知ってもらいたい」との思いから、絵本を手掛けたそうです。現在「むっちゃんの冒険」に続き「むっちゃんの冒険2」も出版されています。
千葉に居ながらにして佐賀の味が楽しめる。同店はまさに、佐賀のアンテナショップ的な存在の居酒屋です。
- 「日替わりおつまみ 5点盛り」1050円。単品は350円。
- 有明海の特産のひとつ“タイ”で造る「タイのお刺身」。
- 「揚げ出しナス」。 大根おろしがトッピングされていて、さっぱりとした味。
- アミエビも有明海の特産。「キュウリのアミエビ漬け」。
- 「厚揚げと小松菜炒め」。
- 佐賀名物「ガメ煮(鶏肉と根菜の煮物)」。
- 店主セレクト「日替わり 佐賀の日本酒のみくらべ3種」900円。 撮影日は、小松酒造の「万齢 清酒」、馬場酒造場の「能古見 純米吟醸」、 光武酒造の「光武 手造り純米酒」の3種類。 どれもフルーティで飲みやすい味。
- ザリザリの食感で塩辛よりもインパクトがある「ガニ漬」500円。
- 「わらすぼの干物」1匹1000円。
- 深海魚のような形相のわらすぼの干物は、ハサミでカットしていただく。 頭の部分は硬いので食べない人がほとんど。
- 「じゃばらサワー」500円。 じゃばらは“邪払(邪を払う)”と書くそうで、もともとは、 柚子と九年母(くねんぼ)、紀州みかんなどの自然交配によってつくられた 果実なのだとか。じゃばらに含まれるナリルチンはフラボノイドの一種で、 花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を抑える効果が 期待できると言われ、注目を浴びている幻の果物。 レモンほど酸っぱくなく、かぼすのようなとってもさわやかな味。
- 佐賀の名物「みんち天」350円。
- 「むつごろうのから揚げ」1匹300円。
- 小腹が空いたときには「シシリアンライス」1000円もお薦め!
佐賀の珍味と地酒に舌鼓 佐賀の虜になるかも!?
同店の魅力は何といっても佐賀の珍味が味わえること。佐賀といえば、ムツゴロウ、ワラスボが有名ですが、どちらも有明海の干潟に生息するスズキ目ハゼ科の魚。
ムツゴロウは日本では有明海と八代海の一部にしか生息していない水陸両生魚で、最大20cm。エラと皮膚の両方で呼吸ができるため干潟の上を這い回ることができるのだとか。オスがメスにプロポーズするためにジャンプを繰り返す姿がいじらしく思えます。
料理は蒲焼や甘露煮が一般的ですが、同店では「むつごろうのから揚げ」が味わえます。ムツゴロウは佐賀ではから揚げにはしないそうで、この料理は佐賀でも食べられない珍味。じっくり時間をかけて小骨まで食べられるように、カリカリに香ばしく揚げた逸品です。
ワラスボの体長は最大で約40cmにもなるそうで、カラダは細長く目が退化していて、牙のような歯が並んでいるため“干潟のエイリアン”との異名があります。日本では有明海にしか生息していないのだとか。佐賀県ではワラスボの身を粉末状にした「もくさい」という特産品や、そのまま素焼きにするのが一般的。同店ではワラスボの干物を素焼きにした「わらすぼの干物」を提供しています。そのワラスボを自分で食べやすい大きさにカットして、マヨネーズや七味唐辛子を付けていただきます。噛めば噛むほど旨みがあります。一本釣りで釣るしかないため、もともととれる数が少ないうえに、近年の海水温の上昇などによりワラスボ自体の数が激減しているそうで、増々、貴重な魚になっているそうです。
「ガニ漬」は、「がん漬け・がね漬け」とも呼ばれ、昔から有明海沿岸の地域で食べられていた郷土料理。干潟に棲む小型のカニを丸ごとすりつぶし、塩や唐辛子などと混ぜ合わせてねかせる塩辛の一種です。材料として使われるカニは地域によって異なり『シオマネキ』や『アリアケガニ』などが主流なのだとか。作り手によって塩加減やカニのすりつぶし方によって食感も様々。独特の風味と塩味、ガリガリの食感は一度食べたら忘れられない味。珍味の中の珍味で、お酒がどんどんすすみます。
「みんち天」は佐賀のソウルフードで、学生が学校帰りに食べる定番おやつ。もちろん、つまみにも。厳選した魚肉にたっぷりの玉ねぎを加えて、パン粉をまぶして揚げた蒲鉾のような料理。程よく効いた赤唐辛子の辛味と玉ねぎの甘味が絶妙! 同店では好みにより、マヨネーズをかけていただきます。
その他、「ガメ煮」やB級グルメの「シシリアンライス」などもあります。女将のかおりさん曰く、「佐賀の珍味は茶色系が多いので、“インスタ映え”ではなく、“インスタ萎え”するものばかりなんです(笑)」と。でも、どれも一度食べたら忘れられない、また、食べたくなる料理ばかり。佐賀料理の他に、おふくろの味「日替わりおつまみ」もあり、3品と5品が選べるのが嬉しいですね。
九州といえばお酒は焼酎という印象が強いのですが、実は佐賀は日本酒造りが盛んな場所で、特に鹿島市には大小合わせた酒蔵がたくさん。そこで造られた地酒のほとんどは地元で消費されてしまうため、関東ではなかなか飲むことができないのだとか。同店ではその貴重な日本酒を取り揃え、気に入ればその銘柄によっては購入することもできるそうです。
お店で飲める日本酒はその都度、入れ替わります。因みに取材時には、光武酒造の「光武」、矢野酒造の「肥前蔵心」、瀬護酒造の「東長」、小松酒造の「万齢」、峰松酒造の「肥前浜宿」、富久千代酒造の「鍋島」、五町田酒造の「東一」、天山酒造の「七田」・「岩の蔵」・「天山」、馬場酒造場の「能古見」、幸姫酒造の「幸姫」がありました。
佐賀の珍味をつまみながら日本酒をチビチビ飲むうちに、すっかり佐賀の魅力の虜になっているかも!?
【DATA】
佐賀料理 むつごろう
- 住所:市川市南八幡4-14-13
- 電話番号:070-5027-7350
- 時間:月~金17:00~23:00(L.O.22:30)※土曜日は予約のみ
- 駐車場:なし
- FAX:047-473-8317
- 休み:日曜・祝日、年末年始(2018年12月30日~2019年1月3日)
- ※料金はすべて税込価格
- ホームページ:https://mutsugorou.gorp.jp/