堀之内貝塚公園

貝塚文化の歴史の面影を残す重要な場所

「市川市立歴史博物館」の裏手、「市川市立考古博物館」の右手に広がる広々とした公園。もともとこの一帯は、『堀之内貝塚』が発掘された場所。資料によると堀之内貝塚とは、

“貝塚文化最盛期である縄文時代後期前半から貝塚文化衰退期の縄文時代晩期にかけて形成された遺跡で、今から約4000～2000年前にあたります。貝層は東西に長く、長径225ｍ、短径120ｍあり、北西部を屈曲部としたＵ字型の馬蹄形（ばていけい）貝塚”なのだそうです（市川市ホームページより転載）。

堀之内貝塚が1964年(昭和39)に国指定史跡となったことから、丘陵地である地形をそのまま残し公園として環境整備されたのが「堀之内貝塚公園」です。

堀之内貝塚に人々が住み始めた頃、付近は湿地で、それから約1300年の間、この場所は生活の場として利用(継続して利用されていたかは不明)され貝塚を残したのだそうです。数キロ離れた海までは舟で往来していたと考えられています。人々は食料として海からとってきた貝を食べた後、細長い台地の付け根の斜面を中心とした場所に貝殻を捨てていたようで、それが貝塚として残りました。

貝塚の他、発掘された多くの出土品を調べてみると、縄文時代晩期の出土品としては土偶の破片や貝製腕輪などもあり、実用的ではないものも含まれていたことから、当時では理解できない自然の驚異や病気などから身を守るための品として製作し、この頃から“祈り”が人々の心に広まっていたことが解明されたそうです。

公園の一部は植栽中のため立ち入り禁止の場所がありますが、それ以外は自由に散策することができます。林へと続く道には貝殻が散らばっている場所もあり、見た目には普通の雑木林なのですが、貝塚であることが実感でき驚きます。丘陵地となっている雑木林を一周すると、40分ほどかかるので、ちょうどよい散歩コースになるのではないでしょうか。

森林の散策と芝生広場で遊べる公園

丘陵地となっている森林を一周すると、少し息が上がるくらいのちょうどよい散歩コースです。紅葉狩りはできませんが、枯れ葉を踏みしめながら歩くのも楽しいですし、春から夏には森林浴もできます。

なんといっても広い芝生広場はボール遊びをするのに最適！

犬を連れて散歩をする人も多く、フリスビーでキャッチ練習をしている犬もいます。見応えのある2つの博物館に隣接しているだけでなく、実際に貝塚を散策できる貴重な公園なので、博物館を訪れた帰りにぜひ、立ち寄ってほしいです。

アクセスは電車の場合、北総鉄道北国分駅より徒歩約8分。バスを利用する場合は、ＪＲ総武線市川駅北口より「北国分駅行き」または「聖徳学園行き」、「国分経由松戸駅行き」に乗り、「博物館入口」で下車徒歩約10分。